中古車の売買で起きやすいトラブルとは?よくある事例と契約前に確かめたいこと

「禁煙車って書いてあったのに、乗ってみたらタバコのにおいがする」
「車を売ったあとで、業者から修復歴が見つかったので買取額を下げたいと連絡がきた」
中古車を買ったり売ったりしたことがある人なら、こんな話を耳にしたことがあるかもしれません。これから初めて取引する方は、「自分も同じ目にあったらどうしよう」と不安になりますよね。
この記事では、中古車を買うとき・売るとき・個人売買のそれぞれで起きやすいトラブルと、その防ぎ方、困ったときの相談先をまとめました。
この記事のポイント
- 中古車に関する相談は、国民生活センターに毎年7,000件以上寄せられています。
- 車の売買契約は、お店で結んでも自宅で結んでも、クーリングオフの対象外です。
- 査定を受けて契約したなら、業者の見落としを理由にした減額にそのまま応じる必要はありません。
- 個人売買の名義変更は、持ち主が変わってから15日以内に行う必要があります。
- 困ったときは、消費者ホットライン188で近くの消費生活センターを案内してもらえます。
中古車のトラブルはどれくらい起きている?
買った中古車の不具合や、売り買いの契約をめぐるトラブルは、実は毎年かなりの数にのぼります。全国の消費生活センターなどに寄せられた中古自動車に関する相談件数は、以下のとおりです。
- 2023年度:9,034件
- 2024年度:7,059件
- 2025年度:8,642件
毎年7,000件を超えているので、1日あたりにすると20件前後。決して他人事ではない数字です。
相談の内容は、買うときと売るときで傾向が分かれます。買うときは車の故障やキャンセル料をめぐるもの、売るときは強引な契約や売却後の減額をめぐるものが目立ちます。
中古車を買うときに多いトラブル事例

中古車を買うときのトラブルは、大きく2つに分かれます。ひとつは「車の状態が思っていたのと違った」というもの、もうひとつは「契約やお金のやり取りでこじれた」というものです。どちらも、契約前の確認で防げたケースが多くあります。
現状渡しで買った車が納車後すぐに故障した
「現状渡し」は、点検や整備をしないまま、お店に並んでいる状態で引き渡す売り方のことです。安いのは魅力ですが、保証がつかないことが多く、納車の翌日に壊れても修理代は自分持ちになってしまいます。
現状渡しの車を選ぶなら、試乗と整備記録簿のチェックはぜひやっておきたいところ。お店によっては追加料金で整備してから渡してくれることもあるので、一度聞いてみてもいいかもしれません。
修復歴や走行距離が記載と違った
中古車販売店は、車の骨格部分を修理・交換した「修復歴」があるかどうかと、走行距離をプライスボードや広告に載せることになっています。
ところが、「修復歴なし」と書かれていたのに、実際には骨格を修理した跡があった、というトラブルも起きています。走行距離についても、メーターを交換した車などでは、書かれている距離と実際に走った距離が合わないことがあります。
書かれている内容だけで判断せず、整備記録簿や、第三者機関がチェックした車両状態の評価書がないか、お店に聞いてみてください。
「禁煙車」なのにタバコ臭い・雨漏りがする
広告には「禁煙車」と書いてあったのに、乗ってみたらタバコのにおいがする。非喫煙者にとっては、がっかりしてしまうトラブルです。
においばかりは、写真を見てもわかりません。人気の車だとつい早く決めたくなりますが、できれば一度は実物を見に行って、車内に座ってみてください。エアコンをつけると風に乗ってにおいが出てくることもあるので、あわせて試しておきたいところです。
遠くてどうしても見に行けないときは、においについてお店に聞いて、その答えをメールなどで送ってもらいましょう。文面で残っていれば、あとで「言った・言わない」にならずに済みます。
契約後にクーリングオフしようとしたらできなかった
契約した翌日に家族から反対されて、クーリングオフで取り消そうとしたら断られてしまった、というケースがあります。
実は、車の購入契約にはクーリングオフが使えません。お店で結んだ契約だけでなく、自宅で結んだ契約でも同じです。
キャンセル料なしで購入を取りやめられるタイミングは、お店によって違います。車の登録や修理に取りかかるまでは無料でやめられるお店もあれば、書類にサインした時点で契約成立とし、それ以降はキャンセル料がかかるお店もあります。
サインする前に、キャンセルの条件を契約書で確かめておきましょう。
代金を払ったのに納車されない
代金を振り込んで1カ月たっても納車の連絡がなく、お店に電話してもつながらないというケースがあります。ここまでくると、払ったお金を取り戻すのはかなり大変です。
こればかりは、お金を払う前に相手をしっかり確かめておくしかありません。掲載されている住所に本当にお店があるか、業界団体に入っているかは、ネットで調べればすぐわかります。
中古車を売るときに多いトラブル事例
車を売るときのトラブルで多いのは、査定の場での強引な契約や、キャンセル料をめぐる揉めごと、契約後の減額です。売った車の代金がなかなか振り込まれない、というケースもあります。
査定士に居座られてその場で契約を迫られた
出張査定は自宅まで来てもらえて便利ですが、そのぶん断りにくい空気になることもあります。その場で決めるよう強く迫られて、他社と比べる間もなく契約してしまうケースです。いったん契約すると、あとから取り消すのは簡単ではありません。
査定はあくまで、いくらで売れるかを知るための場です。「家族と相談してから決めます」と伝えて、その日は契約せずに考える時間をとりましょう。
引き渡し後に「修復歴があった」と減額された
車を引き渡したあとで、買取業者が「検査で修復歴が見つかった」などと言って、買取額の引き下げを求めてくることがあります。売る側はもう車を手放しているので、本当かどうか確かめようがありません。
査定を受けて金額に納得したうえで契約したのなら、業者の見落としを理由にした減額や解約に、そのまま応じる必要はありません。ただし、修復歴や事故歴があると自分で知っていた場合は、査定のときに必ず伝えておきましょう。
契約書にないキャンセル料を請求された
車の売却はクーリングオフの対象外なので、契約後のキャンセルにキャンセル料がかかること自体は、契約書に書かれていれば当然のことです。ただ、契約書に書かれていないキャンセル料を請求されたり、書かれている金額より多く求められたりすると、話は変わってきます。
こうした請求には、そのまま応じる必要はありません。契約書の内容どおりに対応するよう、業者に求めることができます。
契約の前に、キャンセル料の金額と、いつから発生するのかを契約書で確認しておきましょう。
個人売買で起こりやすいトラブル

個人売買は、間に業者が入らないぶん中間マージンがかかりません。車両代金に消費税もつかないので、売る人は業者に売るより高く、買う人はお店で買うより安く取引できる可能性があります。
ただその分、名義変更の手続きもお金のやり取りも、売る人と買う人の二人で進めることになります。ここの取り決めがあいまいだと、あとで揉める原因になりがちです。
名義変更されないまま自動車税や違反の通知が届く
個人売買では、名義変更がされないまま放っておかれるトラブルがあります。車を手放したはずなのに、春になったら自動車税の通知が届いた…なんてことも。
自動車税は、毎年4月1日の時点で車の持ち主として登録されている人にかかります。名義が自分のままだと、もう乗っていない車の税金まで払うはめになってしまうんです。
名義変更は、持ち主が変わってから15日以内にすることが法律で決まっています。ただ、相手がきちんと期限を守ってくれるとは限りません。次のことを決めておくと、放っておかれる心配がかなり減りますよ。
- 誰がいつまでに手続きをするかを、契約書に書いておく
- 引き渡しの日に、一緒に運輸支局(軽自動車の場合は軽自動車検査協会)へ行く
- 手続きが終わったら、新しい車検証のコピーを送ってもらう
代金が支払われない・車が届かない
車を渡したのに代金が振り込まれない。逆に、お金を払ったのに車が届かない。知り合いどうしの取引や、フリマアプリ・ネットオークションでよく聞く話です。
どちらかが先に渡す形だと、その間は相手を信じて待つしかありません。できれば代金の支払いと、車や書類の受け渡しは、同じ日に顔を合わせて済ませたいところです。
遠方で難しいときは、第三者が決済を仲介してくれる個人売買のサポートサービスを使えば、先に渡す側も不安を抱えずに済みます。
引き渡し後に見つかった不具合で揉める
引き渡しから1週間後に故障が見つかって、買った側は「聞いてない」、売った側は「知らなかった」。こうなると、話はなかなか前に進みません。
民法には、渡した物が契約の内容と違っていたときに、売った人が責任を負うというルールがあります。「契約不適合責任」と呼ばれるもので、買った人は修理や代金の減額、契約の解除などを求めることができます。個人どうしの売買でも、このルールは関係してきます。
引き渡す前に車の状態を一緒に確かめ、わかっている不具合や、どこまで責任を持つかを契約書に書いておきましょう。
中古車トラブルを防ぐためのチェックポイント
中古車のトラブルの多くは、契約前のひと手間で避けられます。確認しておきたいポイントを、「契約書」「実車」「取引相手」の3つに分けてまとめました。
契約前に注文書・約款を確認する
もし揉めたときは、契約書に書かれている内容をもとに話し合うことになります。サインする前に、次の4つには必ず目を通しておきましょう。
- キャンセルできる期限とキャンセル料
- 保証の有無・期間・対象になる部品
- 支払総額(車両本体価格に税金や諸費用を含めた金額)
- 引き渡し後の減額や返品に関する条項(売却時)
実車で状態と記録を確かめる
写真や説明文だけでは、どうしてもわからないことがあります。実車を見るときは、以下の点をチェックしてください。
- 修復歴の有無と、その内容
- 整備記録簿
- 試乗したときの走り・異音・ハンドルのぶれ
- 車内のにおいや雨漏りの跡
- 下回りのサビや腐食
海の近くで使われてきた車は、潮風の塩分でサビが進んでいることがあります。沖縄は海沿いを走る機会が多いので、県内で乗られていた車なら、ちょっとかがんで下回りものぞいてみることをおすすめします。
取引相手の信頼性を確かめる
お金を払ったり契約したりする前に、相手が実在していて、何かあったときに連絡がつくかどうかを確かめておきましょう。トラブルになってから連絡が取れなくなると、話し合うこともできなくなってしまいます。
お店の場合は、掲載されている住所に実際に店舗があるか、次のような業界団体に入っているかが目安になります。
- 自動車公正取引協議会(中古車の表示ルールを運用する団体)
- 日本中古自動車販売協会連合会(中古車販売店の業界団体)
- 日本自動車購入協会(JPUC、車買取店の業界団体)
個人売買の場合は、相手の名前や住所、連絡先を取引の前に確認しておきましょう。車検証に書かれている所有者が売る本人かどうかも見ておいてください。ローンが残っている車は、所有者がローン会社になっていることがあります。
トラブルが起きたときの相談窓口
どんなに気をつけていても、トラブルに巻き込まれることはあります。お店や取引相手と話しても解決しないときは、ひとりで抱え込まずに第三者の窓口に相談しましょう。
- 消費者ホットライン188:全国共通の番号で、近くの消費生活センターなどを案内してもらえます。
- JPUC車売却消費者相談室:車を売るときのトラブル専用の相談窓口です。
- 自動車公正取引協議会:中古車の表示や販売をめぐる相談を受け付けています。
どこに相談すればいいか迷ったら、まずは188に電話してみてください。
中古車のトラブルについてよくある質問
Q.中古車はクーリングオフできますか?
A.できません。車を買う契約も売る契約も、お店で結んだか自宅で結んだかにかかわらず、クーリングオフの対象外です。契約後にキャンセルできるかどうか、キャンセル料がいくらかかるかは、契約書の内容で決まります。
Q.車を売ったあとに減額を求められたら、応じなければいけませんか?
A.査定を受けて契約したのであれば、業者が修復歴や事故歴を見落としていたことを理由にした減額に、そのまま応じる必要はありません。ただし、自分で知っていた修復歴や事故歴は、査定のときに必ず伝えておく必要があります。
Q.個人売買の名義変更はいつまでにすればいいですか?
A.持ち主が変わってから15日以内に手続きすることが、道路運送車両法で決められています。誰がいつまでに手続きするかは、契約書に書いておきましょう。
Q.名義変更されないと、手放した車の自動車税はどうなりますか?
A.自動車税は、毎年4月1日の時点で登録されている所有者にかかります。名義が自分のまま残っていると、もう手放した車の税金が自分に課税されることがあります。
Q.「修復歴あり」と「事故車」は同じ意味ですか?
A.同じではありません。修復歴は、車の骨格にあたる部分を修理・交換したものを指します。ぶつけたことがある車でも、バンパーなど骨格以外の部分だけを直したのであれば、「修復歴あり」にはなりません。
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中古車のトラブルは、買うとき、売るとき、個人どうしの取引のどの場面でも起こりえます。ただ、その多くは契約の前に防げるものです。中古車の契約にはクーリングオフがないので、キャンセルの条件や車の状態、取引相手のことは、サインする前に確かめておきましょう。
「ポチバイ」は、沖縄で中古車の個人売買をサポートしているサービスです。売る人と買う人が直接やり取りすることはなく、査定から契約、名義変更、決済、納車までをプロがまとめて代行します。個人売買のメリットはそのままに、手続きの不安を減らしたい方は、気軽にご相談ください。
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