COLUMN

2024/10/31
EV ポチバイ 中古車

EVは売れる?中古車のニーズや査定時の注目ポイント7選を解説

近年EVの技術開発が進み流通量も増えてきており、中古車市場でも注目が高まるようになってきました。

しかしEV車はガソリン車と仕組みが大きく異なるので、どのように査定されるのか、そもそも売れるのかという疑問を持つ方も多いでしょう。

そこでこの記事では、EV中古車市場の概要を踏まえた査定事情や、売れやすいEV中古車の特徴7選を解説していきます。

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EV(電気自動車)中古車の注目度と需要

EV 充電

EVは年々需要が高まっており、中古車市場でも注目が集まっています。その理由を3点解説していきます。

環境意識の高まりでニーズが拡大中

近年、地球温暖化やCO2排出削減の取り組みが進む中で、エコカーとしてのEV(電気自動車)への関心が高まっています。

ガソリン車に代わる持続可能な選択肢として、個人だけでなく企業や自治体もEVの導入を進めており、EVのニーズはますます増加しています。

燃料費削減のメリットが大きい

ガソリン価格の変動に影響されないEVは、エネルギーコストの面でも魅力的です。

電気代の方が燃料費に比べて安定しており、長期的な目線で見ると経済的な負担が少なくなるケースが多いです。

EV車はガソリン車に比べておよそ1/4から1/5の燃料費で済む場合が多く、年間の燃料費の大幅な節約ができます。

自治体や政府の補助金・支援制度がある

EV購入時には補助金や税制優遇が適用される場合が多く、これもEVニーズの拡大を加速させています。

【補助金・支援制度の例】

CEV補助金:EVやプラグインハイブリッド車の購入に対しての補助

・エコカー減税:初回、2回目の車検で自動車重量税が免除される

・環境性能割:EVは2026年3月31日まで環境性能割が非課税

特に中古車市場においても一部の補助金が適用されることがあり、消費者の関心を引き続けています。

 

EV中古車の査定で重要視されるポイント

EVは一般的なガソリン車と比べて、査定に影響する項目が変わる部分があります。今後EVの売却や購入を検討している方に向けて、具体的な査定事情を解説していきます。

バッテリーの状態が査定に大きく影響する

EVの査定では、バッテリーの劣化具合が最も大きな影響を与えます。

バッテリーの劣化は走行距離や充電回数、使用状況に左右され、バッテリー交換が必要な場合には査定額が大幅に下がるケースが多いです。

バッテリーの健康状態を示す「SOH(State of Health)」をチェックすることが、査定の重要なポイントとなります。

車両のメインディスプレイや情報ディスプレイにバッテリーの状態や充電容量が表示されるメニューがあり、ここからSOHが確認できることが多いです。

また専用のスマートフォンアプリを提供している車種であれば、アプリ上でのモニタリングも行えます。

走行距離と充電回数の影響

ガソリン車の査定では走行距離が大きな影響を与えますが、EVでは充電回数も査定に影響します。

頻繁に急速充電を行うとバッテリーの寿命が短くなるため、査定では急速充電と通常充電の回数も考慮しなければなりません。

これらのデータは車内のコンピュータで確認できるので、査定時に詳細な情報が得られます。

市場における人気車種の影響

EV車の査定には、モデルやメーカーも重要な要素となります。

例えば、テスラや日産リーフなどは中古市場でも高い需要があり、リセールバリューが比較的高い傾向です。

一方で知名度や販売台数が少ないEV車は、流通量が少ないために査定額が安定しないこともあります。

一般的な中古車市場と同様に、自身の所有車の需要をうかがっておきましょう。

ソフトウェアの更新状況

EV車は、車載ソフトウェアによって性能や機能が向上することが多いため、ソフトウェアの更新履歴も査定時に考慮してきます。

最新のアップデートがされている場合、査定額がプラスになることもあります。

通信機器を用いてソフトウェアアップデートができることを「OTA」といいますが、この機能が搭載されている車種は非常に更新が簡単です。

充電インフラの整備状況

EV中古車の購入者は、充電インフラの状況も気にします。

車両自体の査定に直接影響しにくいですが、充電インフラの整備状況や利用可能な充電方法が多い車両は、査定額が高くなる可能性があります。

【充電インフラの課題】

・既存の充電器が耐用年数を迎え老朽化している

・大都市付近では充電渋滞が発生している

・北海道や山間部では充電施設が整っていない

経済産業省のデータによると上記のような課題が残っているため、ガソリン車からの乗り換えに不安が残る人もいるでしょう。

 

売れるEV中古車の特徴7選

EV

ここまでの情報を踏まえ、EV中古車市場で価値のある車の特徴を7選挙げていきます。

バッテリーの健康状態(SOH)が良好

EV中古車市場で最も重要なポイントは、バッテリーの状態です。走行距離や充電回数、充電方法に影響されるため、これらの情報を正確に把握しておきましょう。

中古EV車のバッテリーは経年劣化が避けられませんが、定期的に充電サイクルを管理してきた車両や、急速充電をあまり行わなかった車はバッテリーの状態が良好です。

SOHは初期の満充電容量を100%としたときの劣化度を示しています。そのためSOHが100%に近い車は耐久性があると判断できるので、中古車市場でも高く評価されます。

走行距離が短い

ガソリン車と同様に、EVでも走行距離が中古車の価値に大きく影響します。

一般的には、年間1万〜1.5万km程度の走行距離が適正とされていますが、これよりも大幅な増減なく走行している車は市場で売れやすいです。

走行距離が少なすぎる車も劣化しやすいため注意してください。

定期的なメンテナンスが行われている

EVに限らず、中古車の信頼性を高めるためには定期的なメンテナンス記録が残っていることが重要です。

バッテリーや電気系統に関する点検履歴がしっかりと記載されている車両は、次の所有者に安心感を与えます。

特に、メーカー指定のサービスで点検や修理を受けている車は、品質が保証されやすく高価で売れる可能性が高くなります。

人気モデルや信頼性の高いメーカー

EV車両の中でも、市場での人気車種や信頼性の高いメーカーの車は売れやすい傾向にあります。

例えば、テスラや日産リーフなどの認知度が高いモデルは中古市場でも一定の需要があり、リセールバリューも高いです。

また、メーカー保証が残っている車両やリコール対応がきちんとされている車は、買い手にとって大きな魅力となります。

充電インフラへの対応ができている

前項でもご紹介した通り、EV車両を購入する際は充電の利便性が重要なポイントとなります。

充電ポートの種類や充電速度が中古車選びの基準になることがあり、対応できる充電インフラの多さは購入時の判断材料になるといえるでしょう。

急速充電に対応している車両や家庭用電源で充電できる車両は、売れやすい条件に合致します。

外装・内装に損傷がない

中古車市場では、EVに限らず外装や内装の状態も重要な評価基準です。

傷や凹みが少なく内装が清潔に保たれている車両は、購入者に好印象を与えます。

当然ながらタイヤやブレーキの摩耗具合、ランプ類や電子機器の動作も購入時にチェックされるため、不具合があれば価格も下がると考えましょう。

ソフトウェアアップデートがされている

EV車はハードウェアだけでなく、ソフトウェアのアップデートによっても性能や機能が向上するため、これが定期的に実施されているかが重要です。

また古いモデルにおいては、通信によるソフトウェアアップデート(OTA)が適用されていないものもあります。

OTAが搭載されていない車種は利便性が下がるため、市場価格に影響しやすいです。

 

EV中古車を購入するときの注意点

EV充電ポート

EV中古車の購入を検討している方は、ここで紹介する3つの注意点を覚えておきましょう。

バッテリーの消耗度合いをチェックする

EVの最も重要な部品はバッテリーであり、その性能が車両の走行距離や運転の快適性に大きく影響します。

しかし、バッテリーは時間と共に劣化する消耗品なので、中古車の購入時はバッテリーの健康状態が大きな購入リスクといえるでしょう。

バッテリー劣化が進むと充電容量が減り、1回の充電で走行できる距離が短くなります。

また、劣化が進んでいるバッテリーは充電に時間がかかりやすく、頻繁な充電が必要になるので注意してください。

バッテリーの健康状態を把握することはもちろんのこと、バッテリーに関する保証が残っているかも確認することで、後々のメンテナンス費用を抑えることができるでしょう。

充電インフラを確認する

EVの利用には充電インフラが欠かせません。中古EVを購入する際は、購入予定の地域や自宅近くに十分な充電ステーションがあるかを確認する必要があります。

特に急速充電器の設置状況は、長距離移動を考える上で重要です。

地方や郊外では充電インフラがまだ十分に整っていない場合があるので、頻繁に出向く地域の充電インフラの整備状況を把握しておいてください。

自宅に充電器を設置する場合には、工事費用や電力契約についても検討する必要があります。

最新モデルとの技術差が出やすい

EVは技術の進化が早く、バッテリー技術やソフトウェアの更新頻度が高いため、数年の差で大きな技術格差が生まれることがあります。

そのため中古EVを購入する際には、最新モデルと比較してどの程度の技術差があるかを考慮することが重要です。

たとえば、バッテリー容量の違いや運転支援機能(自動運転技術)の進化など、最新モデルでは搭載されている技術が中古車にはないことがあります。

加えて、古いモデルはソフトウェアのアップデートが終了している場合もあり、セキュリティや機能面でのサポートが限定されることもあるので注意が必要です。

 

EVの中古車についてよくある質問

Q.EV中古車のバッテリーはどれくらい持ちますか?

EVのバッテリー寿命は通常8〜10年、または15万〜20万キロ程度が目安とされていますが、使用環境や充電の習慣によって異なります。

購入前にはバッテリーの劣化状態を示すSOHの値を確認することが重要です。

Q.EV中古車でも補助金は受け取れますか?

補助金は基本的に新車のEVに適用されることが多いですが、地域によっては中古車でも一部適用される場合があります。自治体の補助金制度を確認しましょう。

 

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今後は技術革新や整備環境の変化に応じて、EV車の流通が増えていくと予想されます。そのぶん中古車も数も増加し、市場の注目度も高まるでしょう。

しかし、これまでの乗り方や環境によって中古車の価値は変わってくるため、売買においては地域ごとの需要や流通量も考慮しなければなりません。

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