修復歴ありの中古車とは?確認の仕方や購入するときの注意点を解説
中古車の中には「修復歴あり」と記された車両がありますが、これは大きな事故などによって大幅な修理をした車のことを意味しています。
基本的には車両価値が下がることが多いため、中古車市場においても扱いには注意が必要です。
しかし買い手にとってはメリットになる部分も多いため、全く不利な状況とは言えないのが事実です。
そこでこの記事では、修復歴がある中古車が売買時に与える影響や、実際に購入する際の確認ポイントなどを解説していきます。
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修復歴とは何か
そもそも自動車の修復歴とは何か、概要と表記の方法をご紹介していきます。
修復歴の概要
修復歴とは、自動車が過去に事故や故障によって損傷し、その修理や部品交換が行われた履歴のことを指します。
具体的には、車両の構造部分や主要な機械部品に対する修理です。
これには、フレームやシャーシの修理、エンジンやトランスミッションの交換、エアバッグの展開後の修理などが該当します。
修復歴がある車両は、新車時と比べて構造的な強度や安全性に影響がある場合が多いため、中古車市場では修復歴の有無が重要視されます。
修復歴の記録方法
修復歴は、車両の整備記録や修理記録として保存されます。
整備工場やディーラーが修理を行う際には、修理内容や使用した部品の情報を詳細に記録し、これが修復歴として残ります。
また、一部の国では事故や修理に関する情報をデータベースに登録する制度もあり、車両の履歴を公的に管理していることも多いです。
中古車の売買においては、修復歴を確認するために車両の履歴を調査することが一般的なので、購入者も車両の過去の状態を把握することができます。
修復歴が中古車売買に与える影響
実際に修復歴があると、車両の価値が低下することが多いです。具体的に中古車市場にどのような影響があるのかまとめていきます。
安全性が損なわれるリスクがある
修復歴のある車両は、過去に重大な事故や損傷を受け、その後修理が行われたものです。
このような車両は修理の質や範囲に応じて、元の製造時の安全基準を完全に回復できない場合があります。
特にフレームやシャーシの修理が行われた場合、衝撃吸収性能や車体の剛性が低下するリスクがあります。
最悪の場合はエアバッグや安全装置が適切に機能しない可能性もあるため、安全性に関しては新車や修復歴のない中古車と比較して注意が必要です。
価格交渉材料として扱われ売却が難しくなる
修復歴がある車両は、一般的に市場価値が低く評価されます。
購入者にとっては修復歴がリスク要因となるため、その分価格を下げる交渉材料になるためです。
そのため売却を考える際、修復歴のある車両は同じモデルの修復歴のない車両と比べて、価格が大幅に低く設定されることが多いです。
また、修復歴が原因で購入を躊躇する買い手も多いため、売却自体が難しくなる場合があります。
売主はこのような市場の反応を見越して、修復歴を正直に開示し、適切な価格設定を行うことが求められます。
正しく開示しないとトラブルになる可能性がある
修復歴を正しく開示しないで中古車を売却した場合、後に大きなトラブルに発展する可能性があります。
購入者が修復歴の存在を知らずに購入した後で問題が発覚すると、詐欺として訴えられたり、返品や損害賠償を求められることがあります。
法律的には、多くの国や地域で中古車販売時の修復歴開示が義務付けられているため、正確な情報提供が必要です。
売主は修復歴に関する情報を隠さず、詳細に説明することでトラブルを未然に防ぎ、信頼を築いていきましょう。
修復歴がある中古車を購入するメリット
修復歴のある車の購入はリスクがある反面、いくつかのメリットがあります。以下にその主要なメリットを詳しく解説します。
購入価格が安い
修復歴車は市場価値が一般的に低く評価されるため、同じモデル・年式の修復歴のない車に比べて購入価格が安くなる傾向があります。
これにより予算が限られている場合でも、希望する車種や装備を手に入れやすくなります。
修理済みで問題がない場合が多い
修復歴がある車といっても、修理が完了した状態で販売されることが多く、修理後に問題が発生しないように適切な整備が行われているのが基本です。
そのうえ信頼できる整備工場やディーラーで修理が行われている場合は、購入後のメンテナンス費用が抑えられることがあります。
短期間で乗り換える場合に有利
修復歴車を購入する際に、短期間で乗り換えることを予定している場合には特に有利です。
例えば、次の車両を購入するまでのつなぎとして利用する場合、安価な修復歴車を選ぶことでコストを抑えることができます。
また車両の価値が最初から低いため、将来的に売却する際の価値の下落リスクも相対的に低くなります。
修復歴がある中古車を購入するときのポイント
ここまでご紹介した通り、修復歴のある中古車を購入することにはメリットとデメリットがあります。
そこで実際に購入に踏み出すときは、下記の4点を確認するようにしてください。
車の外観をチェックする
修復歴がある車を購入する際は、まず車の外観を入念にチェックすることが重要です。
修復歴のある車は外観に修理の痕跡が残っていることが多いため、以下の点に注意します。
・塗装の色ムラや異なる質感
・溶接痕
・ボンネットやドア、トランクの開閉時のフィット感
これらの点を確認することで、過去の修理箇所や修理の質を判断する手がかりになります。
内装の機能性を確認する
内装の機能性も、修復歴のある車を購入する際に見逃せないポイントです。
シートベルト、エアバッグ、ウィンドウ、ドアロック、エアコン、オーディオシステムなど、すべての内装機能が正常に作動するかを確認します。
特に安全装置に関しては、過去の修理によって適切に再設置されていない可能性があるため、しっかりと動作チェックを行いましょう。
また内装の損傷や劣化具合もチェックし、修復の痕跡がないかを確認します。
異音や振動の有無を確認する
試乗する際には、異音や振動がないかを確認しましょう。
エンジンをかけたとき、走行中、ブレーキを踏んだときなど、さまざまな状況で異音や異常な振動が発生しないかを注意深くチェックします。
異音や振動は修理が不十分であることや、見えない部分に問題が残っている可能性を示しています。
エンジン音や排気音、サスペンションの動作音などをしっかり確認し、異常がないことを調査してください。
ディーラーや整備工場で診断を受ける
修復歴のある車を購入する際には、信頼できるディーラーや整備工場で専門的な診断を受けることを強く推奨します。
プロのメカニックによる診断を受けることで、素人では見逃しがちな問題点を発見することができます。
診断結果をもとに修理の履歴や現在の状態についての詳細な説明を受けられるので、購入の判断材料になることも大きなメリットです。
修復歴のある車の維持と管理の方法
もし修復歴のある中古車を購入した場合は、その後の維持管理も気を付けておくことがあります。
定期点検とメンテナンスを行う
修復歴のある車を維持し、安全に運行するためには、定期点検とメンテナンスを欠かさず行うことが重要です。
少なくとも過去に1度は大きな修理を受けた経験があるため、通常の車よりも細かい点検が必要となることがあります。
・フレームと構造部分:完全に修理されているか、または再度損傷が発生していないか
・エンジンとトランスミッション:主要な機械部品の点検を行う
・サスペンションとブレーキシステム:ブレーキパッドの摩耗などを要チェック
・電気系統と安全装置:ライトやシートベルトなどの安全装置が正常に作動するか
定期点検は、信頼できる整備工場やディーラーで専門的な診断を受けることを推奨します。
保険を見直す
修復歴のある車に対しては、保険の見直しを行うことも重要です。
適切な補償内容の確認
修復歴のある車は、修理履歴や状態に応じて事故時の補償内容が変わることがあります。
自動車保険の補償内容が十分であるかを確認し、必要に応じて補償範囲を見直しましょう。
特に、車両保険の補償額が修復歴車の市場価値に適しているかを確認してください。
特約やオプションの追加
修復歴車に対する特約やオプションを検討します。例えば、ロードサービスや修理保証などの特約を追加することで、予期せぬトラブル時に備えることができます。
保険料の比較
これは基本ではありますが、複数の保険会社から見積もりを取り、保険料を比較しましょう。
修復歴のある車に対して適正な保険料を提供している保険会社を選ぶようにしてください。
もちろん修復歴があることを保険会社に正直に申告するのが基本です。
申告を怠ると、事故時に補償が受けられない場合があるため、正確な情報を提供しましょう。
中古車の修復歴についてよくある質問
Q.修復歴がある車の市場価値はどれくらい下がりますか?
修復歴がある車の市場価値は、修理の範囲や質、車の年式、モデルなどに大きく左右されます。
一般的に、修復歴のない同モデルの車と比べて、20%から30%程度の価値が下がることが多いです。
特にフレームや構造部分に大きな修理が施された場合は、価値の低下が顕著になります。
Q.修復歴の有無を確認する方法はありますか?
基本的には、車の整備記録や修理記録を確認すると修理の有無が記載されています。
ディーラーや整備工場で行われた修理の詳細が残っているので、よく確認してください。
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修復歴のある中古車は市場価値が下がる傾向がありますが、修理後の管理や買い手の需要を意識すればまだまだ価値のある車両になります。
特に個人間売買は中間マージンが安く抑えられるため、売り手にも買い手にもメリットが多いです。
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